2012年3月22日木曜日

2008年 - Share Your Best Practices

この年からはじまったこととして、他国のGoogleセールスチームとの連携ということが印象に残っている。
 私は、この時点で約4年以上Googleで仕事をしていたが、それまでアメリカ本社以外の他国オフィスと仕事上で繋がりを持つことはほとんどなかった。
それは、Google Japanのセールスチームが、組織上独立していたためである。
ちなみに、Google Japanは、アメリカ以外の国で開設された最初のInternational office であり、2001年夏に産声をあげた。
2008年当時のセールスの組織体制としては、


・アメリカ・カナダ
・ヨーロッパ
・アジアパシフィック+南アメリカ
・日本


という区分けになっており、日本は一国で、一つの事業単位としての扱いを受けていた。
この時点では、上記自体に変化はなかったが、私のセールスチームは、アジアパシフィック+南アメリカという出来立てほやほやチームと横の連携をとることが求められ、定期的に情報交換を行っていた。
具体的に言うと、アジアパシフィックは中国、香港、韓国、インド、オーストラリア、南アメリカはブラジル、アルゼンチンといった国々である。
中国、香港、韓国といった地域では、Googleのマーケットシェアが一位ではないこともあり、日本と状況が似ていたので、お互いにシンパシーを持ちながら具体的な課題についての相談をしていたものである。
"Baidu(中国) 、Naver(韓国)に使われる広告主の予算を、どうやってGoogleに引っ張ってきているの?” といったように。


しかし、アジアパシフィックや南アメリカのセールスチームと横の連携を深めることについて、そのような広告市場が小さい国と連携をとることに異議を唱える声を日本の中から聞いたことがあった。
”与えることはあっても、得るものは少ないだろう”
という意見である。
確かに、それらの国と比べれば、日本は様々な課題について先に取り組んできたことも事実である。
しかし、その時、実際にそれらの国々との連携を実践した自分が言えることは、彼らと共に仕事をすることで、お客様に還元できるたくさんの有益な情報を得ることができた、ということである。
例えば、我々が取り組むまでは全く日本で知られていなかったことであるが、Googleインドには、各国のセールスチームをサポートする部署があり、広告主提出用の分析レポートを作成してくれるのである。
作成してくれるレポート数に限りはあるが、こうした連携をとることにより、お客様に提供できるサービスを向上させることもできた。
余談だが、インドのハイデラバードにあるオフィスに出張した時、この取り組みを手伝ってくれている社員を訪ね、お土産とともに日頃の感謝の気持ちを伝えたところ、大変喜んでくれただけでなく、日本の広告主に対する質問攻めにあい、こちらとしても多いにやる気が向上したことを覚えている。
GoogleのようなInternational Companyで働く醍醐味のひとつ、それは物理的に遠いところにいても、同じ目標に向けて仕事をしている仲間、自分を助けてくれる仲間がいる、ということである。


"Share Your Best Practices"  自分の成功体験を他人と分かちあうこと、これは当時、ことあるごとに言われていたことであるが、このことは私がGoogleで学んだビジネスマンとしてのattitudeの中で大事なことのひとつである。
自分の成功体験を隠すのではなくて、惜しみなくオープンにして、他の人にも活用してもらうこと、そのようなattitudeを実践している人には、他の人からも有益な情報がもたらされ、自分の成功に繋がる好循環が産まれる、、これがどの組織でもいつでも有効かどうかは分からないが、少なくとも当時Googleで仕事をしていた私にとっては、多いに機能したことであり、今でも大事にしたいと思っているビジネスマンとしてのattitudeである。





 

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