この年の10月、Googleアメリカ本社を会場として、”The Google Partner Forum-Zeitgeist`06” が開催された。これはGoogleにとって重要な顧客、ビジネスパートナーの経営層を世界中から厳選し、完全な招待制として年に一度だけ開催するイベントであり、前年の2005年に第一回が開催され、この年は第二回目であった。
タイトルのZeitgeistとはドイツ語で”the spirit of time”という意味であり、当時はGoogleの検索キーワードランキングをこのZeitgeistというタイトルで紹介していた。
タイトルのZeitgeistとはドイツ語で”the spirit of time”という意味であり、当時はGoogleの検索キーワードランキングをこのZeitgeistというタイトルで紹介していた。
VIPのお客様、業界のリーダーを招き、同時代にとっての重要なテーマについて話し合い、さまざまな情報を共有して、人的コネクションもつくる、というのがイベントの主な目的である。
日本からも約15名ほどのお客様をお招きし、幸運なことに、前年に続き自分もそのお供として参加したが、前年の第一回に受けた刺激がとても大きかったので、この年も参加する前から非常に心待ちにしていたことを思い出す。
パネリストとしての参加メンバーのほんの一部を抜粋すると、
Time Warner COO(当時)- Jeffrey L.Bewkes
Dell CEO - Michael Dell
Dell CEO - Michael Dell
SONY CMO, NIke VP , Yahoo! CMO
WPP - Sir Martin Sorrell
Al Gore, Her Majesty Queen Noor of Jordan , General Colin L.Powell
(Facebook - Mark Zuckerberg)
(Facebook - Mark Zuckerberg)
といった面々であり、Googleの会社としての力(金)の入れ方がお分かりいただけると思う。
レセプションパーティーからして、スタンフォード大学の美術館で行うという、洗練された力の入れよう。
招待された経営層の方々には、Googleここにあり、と強く印象付けられたに違いない。
少し脱線するが、2011年に公開された映画 ”Wall Street: Money Never Sleeps”の中で、投資銀行のあるベテランバンカーが、
”あなたはGoogleをバブルと言ってましたよね”
と同僚の前で揶揄される、という場面があったが、この頃でもまだ、Googleを持続的成長をする企業として見ていない、今だけのバブルだ、と思っている人たちがビジネス界ではまだまだ多くいたのかもしれない。
そういう見方を変えるのに、一役買うようなイベントとしては十分な効果があったことだろう。
ちなみに、アル・ゴアの話は必要以上に長く、自身の主張に関する政治的な内容が濃いため、日本人の自分には退屈だったが、コリン・パウエルがGoogle CEO(当時)エリック・シュミットとの対談で話したイラク開戦時の彼の主張、国際政治に対する見解、そして何よりも人間の佇まいとしての迫力が圧倒的であったことを今でも思い出す。パウエルのセッション後は、会場でスタンディングオベーションが起きたのだが、それは2日間のセッションを通して唯一の出来事であった。それほど格別の内容、存在感であったことの証拠だろう。
Facebook創業者マーク・ザッカーバーグは、”The New Networks” と題した30分程度のディスカッションセッションに、当時のMy space のCEOと一緒に3人で出演していたが、自分がこの時はじめてFacebookそのものを知ったこともあり、彼が話した内容は覚えていない。唯一、彼が3人の中で一番活発に発言していて、会場を笑わせていたことだけは覚えているが...
このイベントに日本から参加していたお客様も大いに刺激を受けたようで、夜はみんなで興奮し、笑いながら色々と話し合ったことが思い出される。
日本からは主に、オンライン広告代理店の経営層の方々、Googleの検索エンジンパートナーの方々にご参加いただいたのであるが、日本でその方々が一堂に会して同じ場で飲みながら話しをする、という機会は無いので、その時の楽しさは今でも良く覚えている。
ちなみに、このイベントに参加されていたオンライン広告代理店、日広の加藤社長(当時)は、このZeitgeistの夜、興奮冷めやらず普段以上に熱心に語られていた。
後日、ご本人がこちらのブログでおっしゃっているように、このZeitgeistにより人生観が変わるほどの衝撃を受け、ビジネスの主戦場を日本から世界へ変える決心をするきっかけとなったようである。
私にとっても、自分の視野、活動範囲を大きく持とうと決意した貴重な体験であった。
2006年の参考情報
日本のインターネット広告費
3,630億円 (対前年比+29%)
*出典:電通「日本の広告費」
Google 年間売上高 (全世界の売上)
10,605百万ドル(対前年比+73%)
*出典:Google Investor Relations
主なニュース
*ライブドアに強制捜査、堀江元社長らが証券取引法違反で起訴される
*YouTubeの大ヒットで、国内でも動画共有サービスが続々スタート
*ソフトバンクがボーダフォン買収、「ソフトバンクモバイル」に
*ニフティがパソコン通信サービスを終了、19年の歴史に幕
*GoogleがYouTubeを16億5,000万ドルで買収
*mixi利用者600万突破。利用者が晒されるケース増加、対応に追われる
*Google、カレンダーやオンラインアルバムなど新サービスを続々リリース
出典:Internet Watch
0 コメント:
コメントを投稿