2004 年、2005年はサンフランシスコのヒルトンホテルで行われたが、この年は同じサンフランシスコながら、社員数の増加に伴い、通常は大規模イベントが開催 されるMoscone Centerで行われた。アメリカ、ヨーロッパを中心に総勢約2,000人以上のGoogle社員が出席していた。
本Conferenceのオープニングで、各国におけるAdWordsの成功事例をひとり2,3分程度でプレゼンテーションするというコーナーがあり、自分が日本の事例を話すことになった。
そこで自分は、数あるお客様の中からGyaO!様の事例を選び、Gyao!というサービスの説明と、Gyao!がどのようにAdWordsを活用して会員数を伸ばしているか、ということを2,000人の前で説明することになった。
2005年5月にサービスを開始したGyaO!は、”完全無料パソコンテレビ” の売り文句により、YouTube普及前の当時としては画期的なサービスとして広まり、驚異的なスピードで会員数を増やしていた。(2005年末時点で数百万人の会員数を獲得)
な ぜGyaO!の事例にしたかというと、日本で普及している日本独自のWebサービスを世界に紹介するという点で会場にいるアメリカ、ヨーロッパの社員が興味を示 すのではないか、ということ、また、Gyao!自身のAdWordsを通しての会員獲得が順調であり、積極的に投資していただいていたので、自分からも積極的に代理店さんを通じて提案活動を行っていたからである。
(ちなみに、この当時のGyao!は株式会社USENが運営しており、ヤフー傘下の連結子会社になっていない。)
この成功事例紹介コーナーは、AdWordsのローンチ当時より、WorldwideでAdWordsセールスチームを統括していた、当時Vice Presidentの シェリル・サンドバーグのプレゼンテーション時間の一部として行った。
厳密にいうと、当時、日本のAdWords セールスチームはシェリル管轄ではない唯一のチームであったこともあり、自分としては、もちろん彼女の名前は知っていたが、日本チーム全体として接点の少ないエグゼクティブの一人であった。
プ レゼンテーション本番の前日、Moscone Centerで行ったリハーサル時に、Tシャツにジーンズというカジュアルないでたちの彼女から握手の手を差し出してくれ、
”どんなお客様の話をするの?”
”日本のビジネスはうまくいっているの?”
”明日、がんばってね”
と積極的に自分に話しかけてくれたことが妙に強い印象として残っている。
なんというか、天性のリーダーシップというか、小さいころから学級委員とかやっていたのだろうな、と想像できるような快活さをもった女性という印象であった。
この約二年後、シェリルはFacebookのCOOとなり、今やForbesによる"THE WORLD'S 100 Most Powerful Women" の第5位にランキングされるほどにまで注目を浴びる存在になっている。
肝心のプレゼンテーションの方だが、やはり人間(自分)は大人数を前にすると緊張する、、ということで割愛したい。
Gyao! 様での事例を話したこともあり、この Conferenceでの出来事として良く覚えているのは,Google Videoのことである。当時、製品担当の責任者であった女性が、Google Videoがいかに強力な製品であり、YouTubeよりアドバンテージがあるのか、という説明を、年初のCESでラリーペイジが発表したGoogle Video Storeの内容をまじえながら説明していた。
その力強いプレゼンテーションを聞きながら、自分としては、会社としてVideoサービスに本気で取り組んでいる、という印象を受けた。
そして結果的には、この年の10月にYouTubeそのものがGoogleに買収(約$16.5M)されたわけである。
その時感じたのは、”Googleといって も、ある分野では、スタートアップにユーザー獲得のスピードで負けることがある” という実感と、”自社で同サービスがあるのに、$16.5M(!)かけて も必要と思うものは買いにいくというGoogleの必死さ” であった。
その後、買収当時のYouTubeの年間売上が1,500万ドルという事実が公表され、その100倍以上の金額で買収されたことが明るみになったが、これぞまさに現代のアメリカンドリームだと思い知らされた。
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