“AdWordsを売って売って売りまくりたい ! ” ということであった。
そして、話しは2003年以前にさかのぼる。
フレッシュアイという会社で働いていた当時のこと。会社の主な収入源は広告収入であり、その売上を最大化することが自分の役割であった。朝は必ず前日のページビュー数の確認からはじまり、広告在庫の確認とメディアレップと呼ばれる販売協力社への情報提供と営業活動を行うのだが、単刀直入にいえば、全く採算ラインにはのっていなかった。
"Yahoo! Japanにあらずんばインターネット広告にあらず"
というのが当時のインターネット広告の実情である。
我々のページビュー数(PV数)は1日約100万程度、、それに対してYahoo!Japanは2000年7月に1日1億ページビューを突破していた。
つまり、100倍ものPV数を誇る“同業他社“に戦いを挑んでいたことになるわけである。
*ちなみに、2000年、2001年は日本ではOverture, AdWordsの"リスティング広告"は未だはじまっていない。
当時、Yahoo!Japanが販売していた広告商品は、
・期間保障型 →いつからいつまでは必ず掲載します・インプレッション数保障型 →この数だけは必ず掲載します
の二つであったが、1日1億以上のページビュー数という豊富な広告在庫数を誇っているため、広告主はYahoo!にさえ掲載しておけば事足りるのである。
自分としては、全く勝負にならない状況の中、色々な人の協力をいただきながら営業活動を行っていたが、一向に数字を上昇トレンドにのせることはできなかった。
ただ、そうした中でも、毎月必ず固定客を見込める商品があった。
それがサーチワード広告という製品である。
それは、検索キーワードを幾つか指定し、その検索数のレベルに応じて、1ヶ月固定料金、期間保証で販売するというものである。
例えば、
キーワード: ドメイン、ドメイン取得、サーバー、レンタルサーバー、ホスティングの合計5ワード
掲載期間: 1ヶ月
料金:10万円固定
といった内容である。
自分達は、これを1社、2社限定の商品とし(検索数が少ないので、そういう風にしか出来なかったが)、購入しやすい金額で販売することにより、毎月の固定客を作ることができた。
(ドメイン取得、キャッシング、カードローン、探偵社、かつら、クリニック、結婚情報といったお客様)
その当時は、毎月の広告売上の約20%程度をこのサーチワード広告で稼いでいた。
そんな状況の2001年、会社の新たな収益源をつくる必要に迫られ、アメリカの事例研究をはじめた際に出会ったのが “GoTo.com” 、つまり、Overture, Yahoo! Search Marketingのオリジナルである。
GoTo.com、それはサーチワード広告とは似て非なる洗練された商品であり、自分は確実にインターネット広告に新たな顧客をもたらすものだと確信した。
なぜそう思ったかということは、Overture, AdWordsといった"リスティング広告"に惹かれた理由と共に後述したい。
結果として、2001年には自らGoTo.comのようなものを開発することもできず、自社のビジネスにリスティング広告を導入することはできなかった。ただ、自分としては、その後も何とか導入の機会をうかがい続けていた。
そして、2002年 Overtureの日本上陸時に自らコンタクトをとり、導入に向けた条件交渉と契約内容のとりまとめを行った。その結果、2003年2月よりフレッシュアイへのOverture広告の掲載を開始することになり、Search Engine Marketingビジネス、リスティング広告がかねてからの希望通り、自分の仕事と強く関係することになったのである。
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