この年も、Google Japanの営業チームとしては、代理店への営業支援を重点的に行っていた。
一般的にリスティング広告、AdWordsというのは、適切な方法によって手間をかければかけるほど効果があがるものであり、Googleの営業としても、そのように手間を惜しまずにこまめに運用することを促していた。
例えば、広告主が旅行会社の場合は、販売している全てのツアーの行先、地名、観光名所に関するキーワードを設定して、そのキーワードをテーマ別にグルーピングして、ユーザーの目に触れることになる広告テキストもそのグループ別に作成してください、といった具合である。
ハワイ旅行を探しているユーザーには、
”格安 ハワイ旅行30,000円から!”
という広告を見せ、韓国旅行を探しているユーザーには、
”韓国弾丸ツアー10,000円!” を見せる、といったカスタマイズである。
この地名数が10や20ならまだしも、数百といった単位になってくると、とにかく手間がかかる。
お客様にとってみれば、何をやれば良いのかはなんとなく分かるし、いくらでもやることがあるのも分かっているけれど、とにかく手間がかかるので、、、というのがこのAdWordsという製品の特徴であった。
ましてや当時、現在普及しているAdWords Editor, AdWords APIのように、Googleとしてこれらの作業の効率化を実現するためのツールや仕組みを提供していなかったので、利用者側の負担は非常に大きかった。
それは、Yahoo !Japanに採用されていたOvertureでも同様であったように思う。
この当時の状況としてクリティカルだったのは、
”だれがAdWords(Overtureも然り)のアカウントマネジメントに関するコスト(ひと、もの、金)を負担するのか? 広告主? 代理店? サービス提供者(Google
,Overture)?”
ということであった。
そこのコストを負担し、経験と専門性を身につけて広告主に還元していくという業態で、Search Engine Marketing の発展と共に業績を拡大したのが日本の(オンライン)広告代理店 であり、その代理店の活動を後押しして売上を拡大していくというのが当時のGoogle,
Overtureの共通した戦略であった。
そういう状況において、圧倒的なユーザー数を誇るYahoo! Japanに掲載されるという事実を考慮すれば、広告主にとってはOvertureが最優先であり、Googleが後回しとなってしまう。
Googleは日本のマーケットでは二番手であるわけだから、マーケットリーダーのOverture以上のサービスを提供しなければその差を詰めることはできない。
そのために、AdWordsの営業担当として自分ができることは何かを考えて実行する、それしかなかった。
2005年の参考情報
日本のインターネット広告費
2,808億円 (対前年比+55%)
*出典:電通「日本の広告費」
Google 年間売上高 (全世界の売上)
6,139百万ドル(対前年比+93%)
*出典:Google Investor Relations
主なニュース
*iTunes Music Store、日本でもサービス開始
*ライブドア、ニッポン放送買収に動く~フジテレビと提携で決着
*USEN、広告ありで無料視聴できる映像配信サービス「GyaO」開始
*個人情報保護法が全面施行される
*ヤフー、検索サービスをページ検索中心に切り替え
*Google、「Google マップ」など新サービスや無料ソフトを続々リリース
出典:Internet Watch
0 コメント:
コメントを投稿